新刊「大坪本流 絵入 武馬必用 二 翻刻版」のお知らせ

 皆さん、お久しぶりです。丸岡です。この6月末に『大坪本流 絵入 武馬必用 二 翻刻版』をとうとう出版いたしました。

大坪本流 絵入 武馬必用 二 翻刻

Amazon.co.jp: 大坪本流 絵入 武馬必用 二: 翻刻版 eBook : 丸岡 優, 慧 夢之㞼: 本

 

 第1巻から2年もお待たせしてしまい、申し訳ございません。この第2巻は全5巻のうち一番分量が多く、専門用語を調べるのにも多くの時間を要しました。ものによってはどう頑張っても見つからないものもありましたので、今後、大坪流や大坪本流関係の資料をもっと読み解いていくうちに、追記更新していきたいと思います。

 本書の詳しい解説はAmazonのリンク先をご参照頂くとして、気になる中身を一部、サンプルでは見られない部分をお見せしてしまいます。それが以下です。

朝鮮曲馬の一部

 朝鮮曲馬、このパートが今回一番心を砕いたところになります。様々な史料を渉猟して、色々な画像を比較できるように集めました。
 馬の上で立ったり逆立ちしたり、鞍の上をぴょんぴょん左右に飛んだりと、とても自由にやっています。同じ技でも画像によって違って描かれているので、途中の動作やバリエーションが良くわかります。残り2ページ、さらに信じられない技が続きますので、ぜひ本編でお楽しみください。

 また余談ですが、この朝鮮曲馬に非常によく似たものが日本にもあり、京都、藤森神社の駈馬(かけうま)神事として残っています。この5月5日に現場で観ましたが、テレビとは迫力が違います。馬の迫り来る振動や地響き、その中であんな奇抜な曲芸をやってのけるとは…。この一見可愛らしい画像に描かれているものは、実はあの恐ろしさを克服した上に成り立つ技術だったのだ、と思わされます。
 当時、著者である斎藤定易さんが、朝鮮曲馬に舌を巻いて馬上才(ばじょうさい:朝鮮曲馬を行う技術を持った乗り手)と対談して、その教えを乞うたというのも頷けます。

 さて、ご興味を持って頂けたでしょうか。なかなか馬(マ)ニアックな世界ですが、これに共感して頂ける方には、かなり響く本になっていると思います。また、あの犬公方、徳川綱吉将軍についても、斎藤さんからの視点で評されています。

 それでは私どもはこれから、名馬物語(英語版)の最終チェックと、名馬物語(日本語版)の続編に入ってまいります。またお会いしましょう!